bookshelf 『君の名残を(上)(下)』 浅倉卓弥 忍者ブログ
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b8325f3d.png  現代の中学生男女、そして小学生の男の子が、源平の時代に飛ば
 されてしまい、巴御前と武蔵坊弁慶、そして北条義時として生きて
 いくことになるタイムトラベルものです。

 史実の隙間を見事な想像力と構成で埋めていきます。安徳帝が女性
 だったりなど大胆な設定も結構ありますが、どれも無理なく繋げて
 いるところは見事。

 また、タイムトラベルした3人のうちのひとりが「北条義時」という
 マニアックな選択にもしびれます。
 
 「史実の隙間」という言い方をしましたが、それが本当に矛盾なく、ああ、そういうことだった
 可能性もあるのではないか、とまで思わせる完成度の高さ。しかしまあ歴史物には特に重箱の隅
 をつつく人もいるので、好みの別れるところなのかもしれません。

 テーマは「時」と「想い」でしょうか。
 「運命に逆らう事は出来ない」、言い方を変えれば「ひとにはそれぞれの役割がある」。
 それらを変える事、時を止める事は出来ないけれどしかし、それ(運命/役割)に「想い」を
 のせることは出来る。その「想いをのせる」ということこそ、「生きる/生きた」ということ
 なのだ、という感じかな。

 以下ちょっとネタバレですが。

 ともえと武蔵の最後の別離の際(これ以前の義仲の最期の時と同様)ともえには武蔵に義仲が
 重なって見えたということ、これこそが「時にのせた想い」なのかなと、そんな風に思うので
 ありました。


君の名残を(上)」「君の名残を(下)」 浅倉 卓弥 ★★★★★
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